四島のかけ橋
第39号 北方領土返還要求運動神奈川県民会議
平成18年8月16日 発行人:綾井 祐一
北方領土返還要求運動神奈川県民会議 平成18年度総会を開催
 北方領土返還要求運動神奈川県民会議では、去る7月19日(水)午後2時15分より、横浜市西区紅葉ケ丘二番地「もみじざかじょいぷらざ」(神奈川県婦人会館)2階会議室に加盟44団体代議員を招集、(出席21名、委任19名)平成18年度北方領土返還要求運動神奈川県民会議総会を開催した。第1号議案役員の選任については、牧島 功会長に替り、先の県議会で新たに神奈川県議会議長に選出された中村省司氏を選出、同会長より別掲の如く就任にあたっての挨拶があった。次いで、第2号議案より第5議案に至る全議案を異議なく承認、同3時17分閉会した

新会長に 中村省司 県議会議長を選出
総会で挨拶する中村新会長 総会は午後2時15分、久保田事務局次長の司会による開会の辞で始まり、議長には指名により、白石副会長が就任。第1号議案役員の選任については、選出母体の役員改選と、任期満了になった前神奈川県議会議長の牧島功氏と、前日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長の三荒弘道氏に替り、会長には神奈川県議会議長の中村省司氏を、副会長には日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長の洞外文敬(どうがいふみよし)氏を新たに選出した。(なお、新役員については、下段の通りである。)次いで、第2号議案、平成17年度事業報告より第5号議案平成18年度収支予算(案)。を、綾井事務局長が掲案、全会一致で承認可決し、同3時17分閉会した。

神奈川県議会議長  中村 省司  昭和54年(鎌倉市選出)県議会議員初当選、以来連続6回当選。この間、交通対策特別委員会、婦人・青少年問題特別委員会、警察渉外常任委員会、予算委員会、議会運営委員会等の委員長を歴任。また、知事表彰(地方自治功労)、全国都道府県議会議長会表彰(15年)、同(20年)、神奈川県議会議員長(15年)、同(20年)等数々の表彰を受けられた。神奈川県出身 61歳

会長就任にあたって
 皆さん、今日は、伝統と栄光があり、しかも目的意識がしっかりとした、この県民会議の会長をおおせつかまりました中村省司でございます。私は99代目の神奈川県議会議長でありますから、それから数えて127年目の議長ということになります。さて、本日は、こうした梅雨時の足元の悪いところにもかかわらず、またお忙しい中、各界各層の会員の皆様方におかれましては、北方領土返還要求運動神奈川県民会議総会にご出席中村新会長いただき厚く御礼申し上げます。昭和60年11月に発足いたしましたこの県民会議も、本日で、22回目の総会を迎えることになりました。北方領土返還に向けた熱い思いを胸に行動されて来られた皆様方の長年のご努力に深く敬意を表しますとともに、これからも是非ご指導いただきながら、この目的が果たせますよう願ってやまないところでございます。昭和31年に日ソ共同宣言が署名されて国交が回復してから今年は50年になる訳でございますが、依然として、北方領土の返還がなされていないことは、極めて残念であります。昨年11月、プーチン大統領が来日し、日ロ首脳会談が実現しました。両首脳は、これまでの様々な合意に基づき、両国がともに受け入れられる解決策を見出すことで一致しましたが、具体的には、なかなか進んでまいりません。四島一括返還の実現、日本とロシアの真の友好関係の構築のため、引き続き国の強力な外交努力、外交交渉のみならず、北方領土問題解決に向けた国民県民世論の結集が必要なことは申し上げるまでもございません。国民一人ひとりが、北方領土問題に対して、正しい認識を持つことが大切でありますし、私ども県民会議といたしましては、国の外交交渉を支えるため、世論を盛り上げ、一日も早く北方領土が返還されますよう、より一層努力してまいりたいと存じます。この県民会議総会が実りあるものになりますよう、県民会議が益々発展いたしますよう、皆さんの更なるご協力と、私へのご忠告、ご叱正をお願いし、私の会長就任のご挨拶とさせていただいきます。(この原稿は、会長のご挨拶を録音したものを、編集上、要旨をまとめたものです。ご了承下さい。)
平 成 18 年 度 役 員
役 職 名 氏  名 団 体 等 の 職
会  長 中村省司 神奈川県議会議長
副会長 白石俊雄 日本労働組合総連合会神奈川県連合会会長
洞外文敬 日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長
事務局長 綾井祐一 前日本青年会議所北方領土推進委員
理  事 木原英和 神奈川県商工会議所連合会常務理事
原田喜代治 神奈川県農業協同組合中央会常務理事
山中博子 神奈川県地域婦人団体連絡協議会会長
蓮見勇 北方領土問題対策協会神奈川県推進委員
久保田政宏 日本労働組合総連合会神奈川県連合会副事務局長
平野和代 横浜市女性団体連絡協議会理事
井上早苗 川崎市地域女性連絡協議会会長
監  事 関野勇 神奈川県傷痍軍人会会長
西森義博 神奈川県中小企業団体中央会専務理事
事務局次長 久保田政宏 日本労働組合総連合会神奈川県連合会副事務局長
事 務 局 神奈川県県民部県民総務課NPO協働推進室内
〒231-8588 横浜市中区日本大通1 電話(045)210-3621
県民会議ホームページアドレス http://www.hoppoukanagawa.jp/
揺るぎない主張と対話で四島(しま)返還

色丹・択捉を訪問して            7月6日?10日平成18年度「県民会議主体」事務局長綾井 祐一
 色丹島訪問が終った時点で、痛感したことがある。平成6年5月、神奈川県民会議として、北方四島在住ロシア人の日本訪問団61名をうけいれたことがあった。その時の意見交換会では島の住民は、給料も半年間不払いで島での生活も苦しい、日本に返還しても良いと思う人達が出席者の7割近く居た事を覚えている。しかし、今回訪問して感じたことは、以前は色丹島の住民は返還支持者が多く存在したが、現在は、経済状態も良くなり、返還しないで、このまま生活したいというのが本音だと感じた。年月を重ねる毎に、返還は難しくなるというのが実感だった。現在、島に住んでいる人たちは、その大半が島に生まれ、育ち、近所には子供の頃から親しんだ友人、隣人が居て楽しい生活をしている。島のインフラは悪いけど食べるには困らない。ロシア政府も今後10年間で1,000億円を投じ、島のインフラ整備を行うと発表している。新しく出来る水産加工所の月給が20万円前後と、島の経済状況は益々好転していく。10年後には、日本と同程度のインフラ整備が進むと言っていた。平成4年から始ったビザなし交流も今年で15年目を迎えた。双方で約13,000人が交流し、友情と信頼は出来てきた。しかし、前述したように島の人たちは、絶対に返したくないというのが本音なのではないか。年を追う毎に返還は難しくなって来ていることを実感し、同行した此の島々で育った元住民や、親や、先祖の墓がある二世の人たちの無念さは如何ばかりか。今後、一層、政府には強い姿勢で外交交渉を行っていただき、一日も早い返還を実現して欲しいと痛感するのみだった。

ロサ・ルゴサ号 レーニン像
平成18年7月6日~10日まで色丹島と択捉島へ視察に行きました。総員63名の内今回は、国会議員の方々が5名参加されました。7月6日根室市の関係者に見送られ9時25分根室港を出発しました。  これはレーニンの胸像です。水産加工場の前の荷物置き場のようなところで、潰れかけたコンテナの上に乗っかっています。意味ありげです。(色丹島)
文化会館 稲茂尻日本人墓地
 文化会館ではセディフ穴澗村長、ダネリア「南クリル地区」議会副議長らの歓迎を受けました。色丹島には現在3000人ほどの住民が生活している。1994年の地震で大きな被害を受け住民も減ったが最近は増えつつあること、日本の人道援助には感謝している、経済状態は以前よりも良くなってきており、10年後には自力で日本と同じ程度までインフラの整備が出来ると話しておりました。(色丹島)  斜古丹墓地墓参のあとロシア正教会を視察し、車で30分、3時30分に稲茂尻日本人墓地で墓参しました。同行の西村氏により読経されました。この地は海岸近くにありとても景色のよいところで日本人だけの墓地でした。(色丹島)
択捉島 紅茶
 この島の中高年の人は外国語は殆ど話せませんが若い人は英語を若干話すとのことでした。(択捉島)  これは斜那市内商店街の商品。日頃見慣れたティーバックです。100P=190ルーブル(約760円)。このお店でタバコを買いました。ロシア製で一つ10ルーブル(約40円)。物価というのは経済の状況と文化のバロメーターだと思います。高いか安いかは単純には判断できません。(択捉島)
斜那郵便局 カット(花)
 ここが保存を検討している日本家屋の斜那郵便局です。最近まで現役で使用していました。周囲はかなり老朽化していて早い手当が期待されます。内部は現役だった事務所の跡が残っていますが窓ガラスも割れてビニールで覆ってありました。(択捉島)

目で見る北方領土の旅
期  間 10月4日(水)~6日(金)
人  員 25名(予定)
代  金 お一人様 88,800円(交渉中)
申込〆切 9月8日(金)
問合せ 〒231-8588 横浜市中区日本大通り1
TEL:045-210-3621 県庁県民総務課 NPO協働推進室 藤村まで

灯  台
 綾井事務局長のビザなし訪問の手記を読んで、やはりそうかと、つくづくと「時の流れ」というものを痛感した。筆者が「色丹島」を訪ねたのは、平成5年、もう10年以上経っているが、村に入ると、子供達が私たちを囲み、皆、手を差しのべて、何か物や、お金をねだったり、換金しても買う物も余りなく、食パンを買って子供たちに与えたら、喜んでいたことや、何でも欲しがって、ボールペン、ライターまで与えてしまった事や、島民との交流会で手製の編物をプレゼントされたり、貧しくとも、ハートがあった。平成6年に逆に島民を横浜の市街を案内した時は、100円ストアーへ連れて行ったり、連中に「うどん」を食べさせたら喜んでいたり、素朴さに好感を持った。その後、(7~8年後)長野や下田で交流会に出席したが、土産を渡しても、礼はおろか受取っても何の反応もなく、「衣食足りて礼節を知る」というが、彼等は違う連中、(国民性)と知った。「時の経過」は恐ろしい事だ。(蓮見)
編集後記
◇牧島 功前会長ご苦労さまでした。
◇中村省司新会長よろしくお願い申し上げます。
◇石渡事務局次長、永い間ご苦労さまでした。ありがとうございます。出身母体の「東京電力」でのご活躍を祈ります。
◇後任の久保田政宏次長、よろしくお願い申し上げます。(蓮見)
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