四島のかけ橋
第41号 北方領土返還要求運動神奈川県民会議
平成19年8月15日 発行人:綾井 祐一
北方領土返還要求運動神奈川県民会議 平成19年度総会を開催
 北方領土返還要求運動神奈川県民会議では、去る7月27日(金)午後2時15分より、横浜市西区紅葉ヶ丘2番地「もみじざかじょいぷらざ」(神奈川婦人会館)1階会議室に、加盟44団体代議員を招集。(出席21名、委任23名)平成19年度北方領土返還要求運動神奈川県民会議総会を開催した。第1号議案役員の選任については、中村省司会長に替り、先の県議会で新たに神奈川県議会議長に選出された松田良昭氏を選出、同会長より別掲の如く就任にあたっての挨拶がなされた。次いで、第2号議案より第5号議案に至る全議案を全会一致で承認、同3時15分、閉会した。

新会長に松田良昭県議会議長を選任
総会で挨拶する松田新会長 総会は、午後2時15分、蓮見理事(推進委員)による開会の辞で始まり、議長には指名により、白石副会長が就任。第1号議案、役員の選任については、選出母体の役員改選と、任期満了になった、前神奈川県議会議長の中村省司氏と、前日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長の洞外文敬氏と、前神奈川県商工会議所連合会常務理事の木原英和氏に替り、会長には神奈川県議会議長の松田良昭氏を、副会長には日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長の久保田英賢氏が、理事には神奈川県商工会議所連合会専務理事の横田和浩氏を新たに選出した。(新役員については本紙1面の通りである。)次いで第2号議案、平成18年度事業報告より第5号議案平成19年度収支予算(案)を綾井事務局長が掲案し、全会一致で承認され、同3時15分閉会した。
総会で挨拶する松田新会長-紅葉坂じょいぷらざ

松田新会長  昭和62年(横浜市戸塚区選出)県議会議員初当選。以来連続6回当選。この間、行財政制度調査特別委員会、心身障害者対策特別委員会、文教常任委員会、高齢化社会対策特別委員会、議会改善のための検討委員会、総務企画常任委員会、決算特別委員会、各委員を歴任。また知事表彰(地方自治功労)全国都道府県議会議長会表彰(10年、15年、20年)神奈川県議会議員表彰(15年、20年)等、数々の表彰を受けられた。東京都出身。54歳
◇松田新会長◇

会長就任にあたって
 ただいま選任にご賛同をいただき、会長を仰せつかりました神奈川県議会、丁度100代目の議長となります松田良昭でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、また暑い中、北方領土返還要求運動神奈川県民会議総会にご出席いただきましたことを心から感謝申しあげます。昭和60年11月に発足いたしましたこの県民会議も、本日で第23回目の総会を迎えることになりました。北方領土返還に向けた皆さんの熱意と長年のご努力に、心から敬意を表したいと存じます。さて、戦後62年が経過し、また昭和31年に「日ソ共同宣言」が出され、国交が回復してからすでに半世紀、依然として我が国固有の領土であります北方領土の返還がなされていないことは、大変残念なことであります。平成5年の「東京宣言」で、領土問題を解決し、平和条約を早期に締結するよう、交渉を継続することが確認されて以来、我が国とロシアとのさまざまな会談の場で西暦2000年までに領土問題を解決し、平和条約を締結する旨の話し合いが行われてきましたが、いまだ我が国固有の領土は戻ってきておりません。先月のG8の際にも日ロ首脳会談が実現しましたが、残念ながら領土問題に関する具体的な進展はみられませんでした。引き続き、四島一括変換の実現と、日本とロシアの真の友好関係構築のため、国の強力な外交交渉に期待したいところであります。しかし一方で、北方領土問題解決のためには、国の外交交渉のみならず、それを支える国民・県民世論の結集が大変重要であることは、過去の歴史を見ても明らかです。私ども県民会議といたしましても、国の外交交渉を支えるだけでなく、世論を盛り上げ、一日も早く北方領土が返還されるよう、更に努力して行こうではありませんか。本日ご出席の皆さんにおかれましても、今後とも、この運動に対する一層のご支援とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、私の就任の挨拶と感謝の言葉とさせていただきます。

平 成 19 年 度 役 員
役 職 名 氏  名 団 体 等 の 職
会  長 松田良昭 神奈川県議会議長
副会長 白石俊雄 日本労働組合総連合会神奈川県連合会会長
久保田英賢 日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長
事務局長 綾井祐一 前日本青年会議所北方領土推進委員
理  事 横田和浩 神奈川県商工会議所連合会専務理事
原田喜代治 神奈川県農業協同組合中央会常務理事
山中博子 神奈川県地域婦人団体連絡協議会会長
蓮見勇 北方領土問題対策協会神奈川県推進委員
久保田政宏 日本労働組合総連合会神奈川県連合会副事務局長
松井佑子 横浜市女性団体連絡協議会理事
井上早苗 川崎市地域女性連絡協議会会長
監  事 関野勇 神奈川県傷痍軍人会会長
西森義博 神奈川県中小企業団体中央会専務理事
事務局次長 久保田政宏 日本労働組合総連合会神奈川県連合会副事務局長
事 務 局 神奈川県県民部県民総務課NPO協働推進室内
〒231-8588 横浜市中区日本大通1 電話(045)210-3621
県民会議ホームページアドレス http://www.hoppoukanagawa.jp/
世代越え 心に願うは四島返還

「東京宣言」にもとづき、焦らず、ねばり強い交渉を望む
 北方四島ソ連は、サンフランシスコ平和条約に調印しなかったため、日ソ両国間で個別に平和条約を結ぼうと1956年(昭和31年)鳩山総理とブルガーニン議長とが、モスクワで交渉、領土問題で話し合いを持ったが「共同宣言」となり、ソ連は平和条約締結後に、歯舞、色丹を引渡すと主張した。1960年昭和35年)日米安保条約締結に際し、ソ連は、歯舞、色丹返還の前提として、『ずべての外国軍隊撤退を前提とする」旨主張、『以後領土問題は解決済』とし、交渉は停退した。1973年(昭和48年)田中総理の訪ソで、領土問題は「未解決」を確認。1986年(昭和61年)ソ連外相が訪日。1991年(平成3年)共産主義国家体制が70年の歴史とともに崩壊、新たにロシア連邦が誕生。1993年(平成5年)細川総理とエリツイン大統領による「東京宣言」。東京宣言(要旨)択捉島、国後島、色北方四島面積丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題について、歴史的、法的事実に立脚し、合意の上作成された諸文書及び、法と正義の原則を基礎として解決する。(後略)その後、1997年(平成9年)橋本総理とエリツイン大統領との『2000年(平成12年)までに、平和条約を締結することを確認するも残念ながら、実現を見ず、2001年(平成13年)森総理とプーチン大統領、2003年(平成15年)小泉総理との交渉も具体的進展はみられない。しかし、『領土問題は解決済』とうそぶいていた旧ソ連と、シベリヤ抑留の日本兵の帰国のため、共同宣言まで持って行き、歯舞、色丹の二島返還は、保留させたことや、誰しも予想もしなかった共産主義国家体制のソ連が崩壊、「東京宣言」までに至るなど、考えれば隔世の感があるが、したたかで老獪な相手で外交交渉も仲々に困難ではあるが、ここまで来て焦ることは無用で、ねばり強く交渉を続行してもらいたい。私たち県民会議は、交渉団を応援し、しっかりと見届けていこう。

【独立行政法人 北方領土問題対策協会実施事業】
実施時期 実施場所 事  業  名
4/13 東京都 都道府県推進委員全国会議
6/1 埼玉県 関東甲信越ブロック会議(3名参加)
6/7-6/10 京都府 北方四島交流青少年受け入れ事業
6/28-7/2 色丹島・国後島 北方四島訪問事業(☆当会議の推薦者1名参加)
7/28-7/29 東京都 関東甲信越ブロック青少年交流事業(神奈川県より教諭1名、生徒3名参加)
8月 全国 北方領土返還要求運動全国強調月間
8/22-8/23 根室市 北方領土問題青少年・教育指導者現地研修会(神奈川県、横浜市及び川崎市各1名参加)
9/12-9/13 根室市 北方領土ゼミナール
11/26 京都府 都道府県民会議代表者全国会議
2月 全国 北方領土返還要求運動全国強調月間

北方領土返還要求運動神奈川県民会議実施事業
7/27 横浜市内 理事会・総会
10/3-10/5 根室市等 北方領土視察研修事業
11月中旬-下旬 横浜市内 神奈川県民大会

目で見る北方領土の旅
期  間 10月3日(水)~5日(金)2泊3日
人  員 定員20名
代  金 参加費 81、000円
申込〆切 9月4日(火)
問合せ 〒231-8588 横浜市中区日本大通1
TEL:045-210-3621 北方領土返還要求運動神奈川県民会議事務局 藤村まで

灯  台
 終戦記念日の8月15日がやってきました。当時17才であった筆者も79才、20才で軍隊に召集された人々も80才を越え、そ れらのご両親も、その殆どの方々は、すでに他界されておられる事と思われる。62年という歳月は冷厳である。歴史に『もしもあの時』と言うのは、愚かなことだが、敢えて言わせてもらえば、終戦後間もなく米軍上陸の無いことを確認し、上陸占拠したソ連軍の将来を憂い、時の根室市長が、占領軍総司令部(GHQ)を訪ね、管理を米軍に変更するよう要望陳情したが、とりあげられず、ソ連の不法占拠を許す結果になり今日に至った。有史以来、初めての体験とはいえ、この国は「敗戦に関する総括」をしなかった。否 、国民もその心の余裕もなかった。必勝を信じ頑張った国民に対し、その答えは敗戦だった。住むに家無く、極端な食糧難は、餓死者まで出し、生きる事への必死の毎日であった。平成5年に、国後、色丹を訪問したが、同行した元島民の女性は、一つ家に移住したソ連家族と一時同居したことや、現地召集された男性は、家が見える飛行場で武装解除され、シベリア抑留となったとか、慰めようもない衝撃を受けた。ソ連はロシアに変わったが本質は変わらないと思う。領土返還については、これからも、たゆまず、がんばるしかない。(蓮見)
編集後記
◇中村前会長1年間、ご苦労さまでした。
◇松田新会長どうぞ宜しくお願い申し上げます。
◇今年は亥年ですが、外交交渉には、「猪突猛進」は論外です。あの戦争は当時の松岡外相による「国際連盟」脱退が引き金になったと、歴史は教えています。門外漢が言うのは、おこがましいですが、焦らず頑張って下さい。
◇次号は、明年1月の新年号になりますが、何でも結構です、寄稿をお願いします。
◇皆さんの、ご支援、ご協力により「四島のかけ橋」も41号をおくることが出来たが、返還に向けての進展、朗報がのせられないことが、残念でならない。
(蓮見)
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