平成26年度関東甲信越北方領土問題教育指導者地域研修会
教育指導者地域研修会
早坂事務局長あいさつ 神奈川県 綾井推進委員取組報告
 北方領土返還要求運動神奈川県民会議という組織を立ち上げたのは約30 年ほど前のことであった。それからずっと運動を続けているが、「返還」を目的としている点においては、大変厳しい状況にある。この返還要求運動を今後どのように進めていくか、北対協と一緒に考えているが、やはり運動を子どもたちへ引き継いでいかなければならないのではないかということで、全国で教育者会議というものが発足している。
 本日ご参加いただいている先生方の中には、北方領土問題についてはあまり詳しくはないという方もいらっしゃるだろうし、全国では、運動に参加しているようなひとは保守的なのではないかと批判されるケースもあり、ご苦労されているという話も聞く。そういった中で運動を続けていかなければならないわけだが、まずは学校の先生に勉強していただいて、子どもたちに教えていただくということが大事なのではないかと思うので、まずは北方領土問題の主旨というものをご理解いただいたうえで、運動の推進にお力を貸していただきたい。
神奈川県教育者会議 小林幹事取組報告  講演の様子
☆ 2年前に会議を発足させた当初から県内の中学生及び高校生を対象とした作文コンクールを実施している。初年の応募数は100 名程度だったが、昨年は700 名程にまで増加した。入賞者の約10 名には図書カードを贈呈しているが、昨年度はこの入賞者は、北対協が主催する「青少年等現地視察支援事業」へ参加する資格がもらえるという流れにしたことで、事業が大変盛り上がった。
各都県取組報告・意見交換概要
☆ 地歴公民の3分野において北方領土について触れるということは、どの学校でも実施しているが、北方領土問題だけで1時間使うということはどうしても難しいとのことであった。そういった中で、公民の分野で、北方領土問題の解決に向けて意見交換をするというディスカッションをしたという学校もあるという報告があった。
☆ 教育者会議の活動について:会議を1年で平均3回開催し、主に授業で使用する教材の作成を行っている。昨年は映像資料として40 分程度のDVD を製作し、今年はプレゼンテーションデータを作ろうと企画しているところである。その他にも社会科系の教育研究会へのはたらきかけをしており、各研究会が開催される際には、教育者会議の座長や事務局員がお邪魔して、パンフレットを配布して返還要求運動の啓発に努めている。
☆ 残念ながら、独自の取組みというのは無く、学習指導要領に則って、地歴公民の授業の中で指導している。全国の中でだいぶ遅れてしまったが、今年ようやく教育者会議を設立した。県庁職員と各教育事務所の社会科担当がメンバーの組織になっている。他都県の取組みを参考にしながら、今後どのように会議を進めていけばよいか、検討していきたい。
☆ 主に現地視察事業に参加された先生が中心メンバーとなって活動している。主な活動内容としては、教材を作成しようということで、北海道の開発に携わった郷土の偉人を発掘し、北海道との関わりや道東の産業との関わりの中から領土問題との繋がりを学習するという流れで、パネルを製作し、各中学校で巡回パネル展を実施した。研究会は年に2回開催しており、組織的な広がりをもたせるために、教育委員会や校長会へはたらきかけをしているところではあるが、なかなか先生方の理解を得ることができないという現状である。先生方にこういった運動に参加していただくためには、学校の管理職、特に校長先生の意識を変えていただかなければならないかなというのが、いちばんの課題だと感じている。
☆、昨年度領土についてのパンフレットを作成した。北方領土だけでなく、竹島や尖閣諸島についても記載があるが、あまり多すぎても読んでもらえないだろうということで、それぞれ2ページずつの構成になっている。今年度、これを県内すべての公立中学校・高校の生徒及び教職員へ配布したところである。これらを今後どう生かしていくかというのが課題だが、まずは意識を高めるという点において、効果があると考えている。
☆ 北方領土問題については、地歴公民の授業において、教科書に出てくるところで触れる程度というのは他の県と同じような状況かと思う。昨年は竹島や尖閣諸島の問題が出たので、朝の会や授業の中で話題を出すこともあったという程度である。まだ教育者会議が作られておらず、検討段階であるので、みなさんの取組状況やご意見をお聞かせいただきたい。
☆、まだまだ手探りの状態である。昨年はそれぞれの島が県のどの市と同じくらいの大きさだとか、距離だとかを紹介するパンフレットを作成し、少しでも北方領土を身近に感じてもらえるよう啓発に努めた。今後はどのように事業を体系立てていくか検討していきたい。学校で、「なぜ北方領土は日本の領土と言えるのか、その根拠は何か」と質問してきた生徒がいた。そういった部分はやはり歴史でおさえなければならないと思うし、地理や公民でそれを補完していくというイメージで自分自身は授業づくりをしている。
☆ 1年生の地理分野で日本の領域について扱う際、東西南北それぞれ端の島をピックアップしてレポートを書くという学習をしている。その他には標語のコンクールに応募したりもしている。
☆ 教育者会議は、現地視察に参加した先生や県の社会科教育研究会の役員の先生が中心となり、総勢50 名程度の規模で活動している。今回学習指導要領が改定されたことで、しっかりと根拠のあるものに基づいて授業をつくっていくことができるようになったため、学習も進めやすくなるのではないかと期待している。
会議の様子 記念撮影

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